女の子の涙
先日、ビレッジ4月号幼稚園保育園版&小学校版の配布が終わりました。
今回も編集部一同、力を合わせ精一杯編集・制作をおこないまして、素敵な”作品”が出来上がったと思います。
多くの皆様のもとに届いてもらえたらなと思っております。
各園や小学校で配布をおこなっておりますが、
場所によっては図書館や本屋さん、スーパーでもおいていますのでぜひ見かけたら手に取ってみてくださいね。
今日は、小学校版で表紙になってくれた女の子のお話を一つ。
その女の子が初めてオーディションに来てくれた時のことを、今でもはっきりと思い出すことができます。
「表紙になりたい!」そう笑顔で力強く宣言してくれたので、すぐに印象に残りました。
そして、すごくキラキラしていました。上辺だけではなく、本当にそう思ってくれているんだろうなと思いました。
オーディションに臨んでくれる子どもたちの目的はそれぞれにあり、
写真を撮られることが好きで楽しくて来てくれる子もいるし、
モデルを夢見て、度胸試しで来てくれる子もいる。(実際に月9に出ることになったモデルさんもいます)
親御さんがとにかく表紙にさせたい!という思いを持って臨んでくれる子もいれば、
私たちオーディションスタッフに会いに来てくれる子もいる(ごくごく稀です笑)。
その他、どのような目的や思いにおいても、きっとオーディションに出ることで得られる何かがある、
必ずしも「表紙モデルになる!」という目的でなくても良いと思っています。
けれど、やはりその思いが強くある子の方が、選ぶ側だって選びたい、
これは当然の心理だと思います。
その女の子は、選ばれなくても次も、また次も来てくれました。スタッフとしてもまた会えることを嬉しく思いました。
しかし、来るごとに、あの時の威勢の良さやキラキラ感が薄まっていると感じました。
カメラの前では自分を表現するかのように上手にポージングは取れる。けれど、終わった後はどこか元気がない。彼女に話を聞きました。
「クラスの子にオーディションに出ていることを言われるんです」
すごいね!とか頑張っているね!というポジティブなものではなく、どちらかといえばマイナスな反応を返されているようでした。
本人の中でも自信を失っているようでした。お母様曰く、心も折れかけていたそうでした。
続けていいのか、選ばれてもいいのか。葛藤があったのだと思います。
私たちの答えは「そんな人たちを見返してあげようよ」です。
表紙になって、色々言ってくる人たちに「すごいね!」って言わせようと、彼女を勇気づけたいと思い声をかけました。
編集部の中での話し合いの結果、その女の子は見事表紙モデルに選ばれました!
お母様からは、モデル選出を伝えた時のその子の様子の動画をいただきました。
「本当に!本当に?」と言いながら飛び跳ねて喜んでいました。
キラキラしていたあの時と同じ目の輝きをしていました。
これまで80人近くモデルさんを選んできましたが、選ばれた瞬間の様子は初めてみましたので、
私たちスタッフもとても嬉しい気持ちでした。
撮影当日、少しヤンチャな彼女らしく、顔に傷を作ってきてしまっていましたが、緊張と期待の表情を浮かべて現場に登場してくれました。
ヘアメイクを終え、スタジオに移動し、カメラマンの指示を受けながら元気いっぱいに撮影に臨んでくれました。
素敵な写真をいくつも撮ることが出来ました。
撮影後、お話の時間を設けるのですが、選ばれた当時のことを聞くと、彼女は急に涙しました。
その姿にお母様もスタッフも思わず動揺。。話を聞くと選ばれて嬉しかったあの時のことを思い出し涙が出たとのことでした。
人一倍の思いを持って取り組んでくれたことがわかりました。
葛藤を抱えながら、でも表紙になることも諦めず取り組んでくれたことがわかりました。
本当に選ばれたかったのだと、熱い思いが伝わりました。
編集部としても、毎号描くイメージがあるため、1人のモデルさんを贔屓することは一切ありませんが、
今回のタイミングで彼女が選ばれたことは、とても喜ばしいことだと思います。
本当に、おめでとうございました。
この世の中、弊誌のようなフリーペーパーと呼ばれる「紙媒体」自体がコンビニなどからもおいてあることが少なくなりつつあり、
また配布をすることにも厳しい制限がかけられてもおりますが、
今回の主人公である女の子のように、一つのことに向かって強い思いを持って取り組む子どもたち一人一人を
応援し、取り上げ続けたいと私たちは思っています。
小学校版、幼稚園保育園版ともども
たくさんの方に見て、読んでいただきたいです。